スペインサッカー2006年総括
2006年もあとわずかということで、スペインサッカーの2006年を月ごとの出来事で振り返ってみたいと思います。(2006/12/23)
Enero/1月
アトレチコをウィルスが襲う
マドリッド近郊で合宿を行っていたアトレチコ・マドリーの選手たちに新年早々悲劇が襲い掛かります。それは3日の夕食中のことでした。体調不良を訴える選手が続出し、なんと最終的には19人もの選手が腹痛や下痢、嘔吐でダウンしてしまったのです。原因ははっきりせず急性胃腸炎ということで結論づけられました。こんな状態で試合ができるはずもなく翌日予定されていたサラゴサ戦は延期となりました。
Febrero/2月
ラウール復帰
昨年12月のクラシコで自身初の大怪我をして以来必死にリハビリを続けてきたスペインの至宝ラウールが20日のアラベス戦で復帰を果たします。ゴールはなりませんでしたがスタンディングオベーションでベルナベウのファンに迎えられ感動的な復帰試合となりました。また同月22日のアーセナル戦にも出場したラウールはチャンピオンズリーグ史上二人目の100試合出場を記録しました。
Marzo/3月
セスク代表デビュー
2006年もっとも輝いたヤングプレーヤーとしてアーセナルのMFセスク・ファブレガスを挙げる人は多くいます。十代の若さで海外の強豪チームの中心選手となったこのバルサ出身の若者が3月スペイン代表デビューを果たしました。コートジボワール相手にいきなりアシストを記録し3-2の勝利(親善試合)に貢献。将来のスペインを背負って立つ選手として期待が掛かります。
Abril/4月
ジダン引退宣言
またサッカー界から偉大なフットボーラーがいなくなりました。ご存知ジネディーヌ・ジダンが同月27日ワールドカップを最後に引退することを発表。「トップレベルの状態で辞めたい。いるだけの選手にはなりたくない。」とジダンらしい潔い引き際でした。最後の試合となったワールドカップでの頭突き事件も今年の大きな話題の1つです。
Mayo/5月
バルセロナ2冠達成
ヨーロッパのサッカーシーズンが終わる5月は話題がたくさんです。中でもやはり今年はバルセロナの2冠でしょう。11月3日、断トツの強さでリーガ18回目の優勝を飾ると17日のチャンピオンズリーグ決勝でもアセーナルをやぶり優勝。スペクタルを提供しながら結果も残す現在のバルセロナの完成したサッカーはクライフ時代のドリームチームと肩を並べたとも言われています。
Junio y Julio/6、7月
ワールドカップまたも優勝ならず
アラゴネス監督のもと”今度こそ”の優勝を目指して戦ったスペイン代表。今回は下馬評こそあまり高くなかったものの緒戦のウクライナ戦で4-0で圧勝した上、予選リーグ屈指の美しいサッカー見せたことで一気に優勝候補に躍り出ました。しかし予選を圧倒的な成績で勝ち抜くも運悪くトーナメント1回戦から苦手なフランスと対戦。ビエラやマケレレなどおじさん軍団フランスの経験を活かしたディフェンスに攻めきれることができずに惜しくも敗れてしまいました。今回も豪華なメンバーが顔を揃えていただけに残念な早期の敗退でした。
Agosto/8月
セビージャ絶好調
リーガファンには嬉しいことにスペインのクラブ同士の対決となった今年のヨーロッパスーパーカップはバルサ有利の前評判を引っくり返してセビージャが勝利しました。激しいプレスと速いサイド攻撃で欧州王者相手に完璧な試合を見せたセビージャは世界中で絶賛され、「最強バルサを倒すお手本の試合」と言われました。その後セビージャはリーガでも好調。優勝はバルサでもマドリーでもなくセビージャ!?
Septiembre/9月
ユニセフonバルサ
毎年各チームの新ユニフォームは話題になりますが今年注目を集めたのが何といてもバルセロナ。バルサは「クラブはソシオのものである」という理念のもとクラブ創設以来107年間もの間スポンサーのロゴを入れていませんでしたが2006年にその伝統に終止符が打たれました。といってもお金のためではなく、なんと逆に5年間毎年約2億ものお金を払うというもの。その契約先は国連国際児童基金ユニセフです。世界のバルサはユニセフに寄付することで長期的なイメージアップ戦略を取ったのです。
Octubre/10月
クラシコ2006
2006-2007シーズン最初のクラシコはレアルマドリッドに軍配が上がりました。昨年ホームで0-3で負け、マドリーファンがロナウジーニョに拍手を送るという屈辱を受けたレアルマドリッドは気合を入れてこの1戦に臨みました。大舞台で頼れる男ラウールのゴールで先制したマドリーは2-0と勝利しリベンジを果たしました。王座奪還に向けて大きな1勝を上げたと言えるでしょう。
Noviembre/11月
プスカッシュ逝去
50年代前半「マジック・マジャール」と呼ばれ当時無敵の強さを誇ったハンガリー代表のキャンテン、プスカッシュが17日肺炎により亡くなりました。1960年のチャンピオンズリーグ決勝で4ゴールも決めるなど所属したレアルマドリッドでも英雄的存在だったこの伝説的サッカー選手の死にマドリッドだけではなく世界のサッカーファンがショックを受けました。
Diciembre/12月
波乱の世界クラブ選手権
欧州チャンピオンとして日本で開催された世界クラブ選手権に臨んだバルサ。1回戦こそ圧倒的な強さを見せてクラブ・アメリカ(メキシコ)を破りましたが決勝戦でインテルナシナル(ブラジル)に0-1でまさかの敗北を喫してしまいした。バルサ史上最強とも言われる現在のチームですがやはりシーズン中の長旅は体に応えたのでしょうか。ロナウジーニョも完全に抑えられ”らしさ”をまったく見せられないままの敗退でした。試合後ロナウジーニョは「来年も日本に来る」とコメント。来年もスペインのクラブが日本に来てくれることを期待しましょう。